ライアン小川はこんなもんじゃねえぞ

 ヤクルトスワローズ2連覇おめでとう。

 

 正直心の中ではやった~~!!って感じじゃなくて、とにかく優勝という結果に落ち着けて良かったというのが素直な気持ちです。

 序盤戦の戦いを見てるとどこまで勝ち星が伸びるんだ??って楽しみだったけど、そううまくは行かなかったね。最後の方はおいおい大丈夫かよ……って。でもとにかく優勝してくれてよかった。

 なんかかわぐちかいじの『ジパング』を読んでるような感じだったね。迷走しながらもちゃんと完結してまあよかった……みたいな。何言ってるか分からんと思うけど。

 このへんが去年の、いいムードのまま突っ切ってゴールテープを切ったあの感じと違うんだよなあ。去年の戦いは『鬼滅の刃』だったんだよ。最高に盛り上げて勢いのまま完結まで持ってった。何言ってるか分からんと思うけど。

 

 最終盤の戦いは本当にグダグダでしんどかった。特に先発投手が試合を作れないことが多くて……。

 その中で、9月の登板4試合で3試合を無失点に抑えた小川が本当に頑張ってくれたと思う。やっぱりエースは小川だ。

 この3試合が全部1-0での勝利なのもカッコいい。今年は何年かぶりにローテーションをしっかり守り切って、規定到達2点台も確定だろう。立派だ。

 でも、今年は援護が入らなさすぎだろう!? 1-0カッコいいけど3試合で3点しか入ってないんやぞ??今年の小川には、もうちょっと見栄えのいい成績にしてやっても良かったんじゃないか?という気持ちはあります。

 去年と一昨年は勝利こそ挙げてるけど、防御率も4点台でお前なあ……って感じだったので、今年は久しぶりに、これがライアンや!ってピッチングを見せてもらった。だからこそもう少し勝たせたかった。

 

 小川って最初の16勝を挙げた年のインパクトが強くて、それが基準になっちゃってるからどうも煮え切らない男みたいな感じなんだよな。ちょいちょい離脱するし、たまにシーズン完走しても調子が悪くて4点台、みたいな。

 今年は調子がいいぞ!みたいな年も突然リリーフに回されて防御率を破壊されたり。(2017年。抑え小川事件があってもなお防御率2点台だったのでこの年は本当に調子が良かった。)

 そんな感じで最初の頃はヤクルトの新エース!って感じだったのが、まあエースってことにしとくか……みたいな感じに次第になってしまった感じがする。

 ここんとこヤクルトの若手投手が台頭するたび、エースは(その若手)!小川は過去の人!みたいなことをファンは言い出すので。まあその若手がエースらしい働きを年間通してするかというとまた……。そういうやりとりが続いて、やっぱりエースは小川ってことにしとくか……ってなる。

 

 でもやっぱりおれは小川を諦めたくないんだよ。いや、諦めるとかじゃなくてここ最近のピッチングを見ればエースは明らかに小川なんだ。

 小川のピッチングはずっと見てるけど、去年の5月ごろからピッチングのスタイルが変わったと思う。それまではストライクからボールになる変化球で交わそうとするピッチングだったのが、明らかにストライクゾーン内で勝負するようになった。5回で100球近く投げるピッチングだったのが、球数も抑えられて長い回を投げられるようになった。去年コロナウイルスに感染して離脱するまでは、その攻めのピッチングがすごく効果的で結果にも表れていたと思う。

 今年も春先は調子が良くなかったけど、攻めのピッチングはそのままにゆるいチェンジアップも覚えて投球の幅を広げて、今年の結果に結び付けてる。

 小川はルーキーイヤーが一番よかったとよく言われるけど、そうは思わない。よく見てれば分かる。小川は今も進化してるんだよ。だからこそ、おれは小川に改めてぐうの音も出ない成績を残して、改めて堂々たるヤクルトのエースと呼ばれるようになってほしいと、いつも思っている。

 

 優勝後の記者会見で、小川さんにとってエースとは?って質問に「それは人が決めること。自分では意識はしていない」って言ってたけど、やっぱり改めて小川にはエースという看板にふさわしい投手になってほしいと思う。そういう成績が残せる投手だと思う。

 そりゃ来年は奥川も万全かもしれない。今年は本来、高橋奎二がエースになる年だったとも思う。でももう一度、ライアン小川がここにいるってとこをおれに見せてくれ。

 

 ライアン小川はこんなもんじゃねえぞ。

 

 ところで最近小川のバントがうまくなった。顔の前にバットを構える独特の構えで、ちゃんと決められるようになった。こういうとこでも進歩してる。

 その構えをビールかけの壇上で披露して笑いをとったりして、小川そういうやつだったのか……ってなった。